建物を取得する際に行う一連の手続きで、基本的には国家資格者の申請により管轄法務局が処理をします
個人で行うことも可能ですが、申請や法務局処理に何倍も時間がかかってしまうため、登記の締め日の関係で建築会社さんや金融機関から禁止行為とされていることも多いです。
新築建物のみに限らず、先に建っていた建物や解体された建物があればそちらに関する手続きも行います。
また、「建物」登記と表現はしますが、実際には土地に関する登記も含まれます。
新築に関する手続きだけではなく、建築地や既存の建物の登記を最新情報に更新するという手続きも含みますので、「建物完成時に行う登記手続き」の略称だと思っていただければ解りやすいかと思います。
※以下は普段お客様とお話する際のご説明内容をまとめたものです。
専門用語をわかりやすく別の言い回しにしている部分もありますので、専門書などとは表現や名称が異なる部分があります。
建物登記は大きく2つに分けられます。
①土地家屋調査士が行う表題部登記
(法律上義務になっている手続き)
不動産登記法により手続きが義務として定められている登記です。
※他にもありますが、よくある手続きは下記4つです。
- 建物表題登記
- 建物滅失登記
- 土地地目変更登記
- 建物表題変更登記
建物表題登記
建物の全部事項証明書(いわゆる登記簿)の作成を行う登記です。
人が住むような一般居宅はもちろんのこと、構造や基礎によっては既製品で購入した物置や、ご自身で作られた倉庫なども登記対象になる可能性があります。
建物は建築されただけでは県や市などがそこに建物が存在することを把握できません。
(実際には家屋調査を行っていますので、届出がなくともいずれは把握されます)
建物表題登記を行うことで全部事項証明書が作成され、市の税務課等にも通知が行き、適正な固定資産税が課税されるようになります。
設計図通りに建物ができているか(建物配置や間取り、天井の高さなど)の調査のため、配置や建物寸法の計測、写真と動画の撮影などの現地調査を行い、その結果を基に登記申請に必要な図面(各階平面図)や、申請調書の作成をすることが主な業務です。
また、建物の持ち分割合の決定もこの手続きの際に行います。
持ち分を持たれる方皆様の委任状が必要になり、共有名義の場合は持ち分に関する申述書(同意書)も必要になります。
【委任状をいただく際にお伝えしていること】
・家屋番号について
建物にも土地と同じように家屋番号という番号が割り当てられ、基本的には「建物が一番大きく乗る土地の地番と同じ番号」になります。
(1筆に複数の建物がある場合は、「〇番〇の2」のような符号がつきます)
ただし、家屋番号は申請事項ではなく、登記手続きの際に法務局側が割り振るものですので、委任状をいただく際にお伝えする番号と違う結果になる可能性もあります。
家屋番号自体ほぼ使うことがないものですので、仮に全く違う番号が割り当てられても問題はありません。
・床面積について
設計図に記載されている建物床面積と登記される床面積は異なる事が多いです。
設計段階=建築基準法と、登記手続き(税金計算も)=不動産登記法という異なる法律のルールで床面積の算出がされるため、四捨五入と切り捨ての関係や、床面積に算入しない部分などの差があるためです。
設計図通りに施工された建物であれば、基本的に登記時点床面積が増えるということはなく、(削除)ほとんどの場合は少ない床面積で登記されます。
建物自体が小さく作られているわけではありませんのでご安心ください。
建物滅失登記
建物の全部事項証明書を閉鎖する(閉鎖建物としての記録は残ります)登記です。
建物は解体されただけでは県や市が把握するのに時間がかかります。
滅失登記を行うことで速やかに各所へ通知がされ、存在しない建物への課税などがされることがなくなります。
古い建物の場合、そもそも登記がされていない(全部事項証明書が存在しない)ということも多く、必ずしも「建物解体=滅失登記」ということにはなりません。
共有名義の建物の場合、代表の方お一人の申請で登記手続きが可能です。
また、滅失登記申請には解体業者様の正確な社名、所在、ご連絡先、解体完了年月日などの情報と、現地に対象建物が存在しない証明写真が必要になります。
愛知県以外の場合は、解体業者様の実印の押印がされた解体証明書と印鑑証明書が必要になります。
土地地目変更登記
土地の地目(その土地がどのように使われているのかを表現する全部事項証明書上の情報ですが、実際の使用状況と異なる場合もあります)を変更する登記です。
よくあるパターンが「畑・田→宅地」で、変更申請に農地転用の許可証が必要になります。
農地転用自体は、「その土地に建物を建ててもいいですよ」という許可の段階で、実際に建物が建築された(=現況が宅地になった)時点で地目の変更が可能になります。
山林や雑種地などからの変更では特に許可証などの書類は不要です。
また、ほとんどの地目では整数のみの表記になっていますが、宅地になると小数第二位までの表記が必要になるため、法務局や市役所で調査が必要になる場合があります。
地目問わず、10㎡以下の土地については最初から少数第二位までの表記があります。
建物表題変更登記
既に登記されている建物の全部事項証明書の内容を更新するための登記です。
増築や減築での床面積の変更、屋根材の変更などの工事が行われた際にはその届出をする必要があります。
はなれや倉庫などを新築し要件を満たしている場合は単独で全部事項証明書を作成する建物表題登記ではなく、主屋に対する附属建物として主屋の全部事項証明書に対象建物の情報を追加する形の表題変更登記を行うこともあります。
②司法書士が行う権利部登記
義務手続きではありませんが、住宅ローンを利用される場合は金融機関から指定されます。
※他にもありますが、よくある手続きは下記4つです。
- 所有権保存登記
- 所有権登記名義人住所変更登記
- 抵当権設定登記(新規・追加)
- 抵当権変更登記
所有権保存登記
登記識別情報通知書(いわゆる権利証)を作成する登記です。
不動産取引や担保に入れる場合は登記識別情報通知書(もしくは権利証、登記済証)が必要になるため、住宅ローン利用の場合は必須手続きになりますが、現金取得の場合は自由選択です。
所有権保存登記を行うことで全部事項証明書に所有権者が記録され、対抗要件を備えた形になります。(これは私の建物です!ということが法律上保護されます)
また、住宅ローンがなくても補助金などの申請、お勤め先の住宅手当申請などで全部事項証明書を求められることがありますが、ほとんどの場合は所有権保存登記まで完了したものが必要になります。
※建物の全部事項証明書が必要な場合、どこまで手続きが済んでいるものが必要かをご自身でご確認の上、保存登記を行うかどうかご判断ください。
補助金申請等が無い場合、新築をされても現金取得であれば保存登記を行わない方がほとんどです。
保存登記を行うと(削除)法的な争いになった場合に立場的に強くなることができますが、登記識別情報通知書を紛失してしまうことが大きなリスクになるためです。
登記識別情報通知書は再発行ができない書類で、紛失してしまっても諸々の手続きは可能でではありますが、権利証に代わる「本人確認書類」をその手続きを担当する司法書士が作成することとなり、一般的に権利証の作成より高い手数料がかかります。(外にも方法がありますが、時間がかかったり手間がかかったりと非効率な方法です)
そのため、権利証が必要な状況になったときに作成するという選択をする方が多いです。
所有権登記名義人住所変更登記
土地の所有権者の住所を更新する登記です。
建築のために土地を購入した際には、新築前の住所地で所有権者が記録されますが、新築をして住民票を異動した後に新しい住所に所有権者の住所を更新することを金融機関が求めてくることがあります。(変えなくてもいいという金融機関もあります)
その際にはこの登記を行い、記録されている住所の更新を行います。
「所有権登記名義人住所変更」といいます。
抵当権設定登記(新規・追加)
抵当権設定には「新規設定」と「追加設定」の2種類があります。
「新規設定」とは、初めて抵当権を付ける(担保に入れて融資を受ける)場合に行う手続きで、土地だけに先に行うこともあります。
「追加設定」とは、既についている抵当権に対して追加で担保に入れる手続きです。
例えば「新規設定」として先に土地に抵当権を付けて融資を受け、建築が完了した後に建物を追加で担保に入れる際には建物の「追加設定」となります。
抵当権変更登記
既についている抵当権の内容を更新するための登記です。
例えば、新規設定時として旧住所で先に土地だけに抵当権をつけた場合、住民票を異動した後に、新しい住所に債務者の住所を更新することを金融機関が求めてくることがあります。(変えなくてもいいという金融機関もあります。)
その際にはこの登記を行い、記録されている住所の更新を行います。
他にも、婚姻などにより債務者の苗字が変わる場合なども該当します。


