【建物登記に関する事】

建物の持分の決め方
建物の持分は「その建物に対して、どなたがどの割合でお金を出しているか」で決まります。
工務店様への申し込みが単独名義の場合や、その後申請される建築確認申請書が単独申請であったとしても実際にお金を出された割合での判断となります。
1000万円の建物に対してAさんが600万円、Bさんが400万円支払われる場合を例にしますと、持ち分割合としては「Aさん5分の3:Bさん5分の2」となります。
ここでもし誤って「Aさんの単独名義」として登記してしまった場合、BさんからAさんに400万円贈与されたとみなされ、贈与税の対象になってしまいます。(適正な非課税贈与があり、申告される場合を除きます)
そのため、登記手続き前のヒアリングの際に必ずお聞きしていますので、複数の方からお金が出ている場合はその
金額と支払時期の確認をお願いします。
また、登記上の持分設定は分数表記になりますが、分母に決まりがありませんので表現は自由です。
6:4の割合ですと「5分の3:5分の2」「10分の6:10分の4」「1000分の600:1000分の400」など、割合さえあっていれば登記申請自体は可能です。
新住所地の決め方
一般的な居宅を新築した際、建築地に住所異動を行うことになりますが、建築地が複数ある場合どの土地に移すかの判断が難しい場合があると思います。
例えば役場の窓口などで質問した場合は「建物が一番大きく乗る土地の地番へ」という説明をされることがほとんどで、中には「玄関がある土地」という説明をされたこともあるようです。
建物の登記をする際、建物自体にも家屋番号という番号が振られますが、基本的に建物が一番大きく乗る土地の地番と同じ番号になります。
同じにしておくことでメリットがあるというわけではありませんが、ご自身での管理上の分かり易さや郵便物の誤配送の可能性を考えると、「建物が一番大きく乗る土地の地番」へ変更するのがベストかと思います。
土地の地番としては「〇番〇」と表現し、住所では「〇番地〇」となりますが、地域によっては「〇番地の〇」と管理されている場合や、小字が省略される場合もありますので、正確な住所表現については役場へお問い合わせください。
また、地域によっては「住居表示地域」という特殊な住所の割り振り方をすることがありますので注意が必要です。
住居表示地域は比較的栄えている地域に設けられますが、土地の地番と違う住所地を役場側で割り振るという制度です。
一般的な住所では「〇番地〇」となりますが、住居表示地域では「〇番〇号」と表現されます。
役場側で新住所を割り振る都合上、前もって役場側に建築中の旨を伝えておき、新住所の通知を出してもらう必要があります。
建替えの場合は以前と同じ番号を引き継ぐことがほとんどですが、更地からの新築ですと新住所の通知発行までに1週間ほどかかる役場もありますので、早めに確認された方がよろしいかと思います。
住所異動のタイミングと実際のお手続き
住所異動のタイミングについては、お借入先の金融機関さんへご確認をお願いします。
住所異動手続きを行ったその日に新住民票や新印鑑証明書を取得できますので、金融機関さんへは「誰の、何が、何通、いつまでに必要か」を予めご確認の上お手続きをしていただけば、取得の為だけに再度役場へ行くことが防げるかと思います。

住所異動手続きには次の2パターンがあります。
①同じ市(町)内で転居の場合(対応役場が同じの場合)
転居届を出していただければ異動手続き自体は完了します。
②別の市(町)へ転居の場合(対応役場が新旧で別の場合)
まず旧住所がある役場で転出届をだしていただき、14日以内に新住所がある役場で転入届を提出します。
転出届を出しますと旧住所での住民票が取れなくなりますので、できるだけ速やかに転入届を提出するようにしてください。
また、印鑑登録が抹消されていますので、新住所地の役場で再登録が必要になります。

お子様の関係などで住所異動と同時に行わなければならない別の課の手続きがあることもありますので、時間にゆとりをもってお手続きのスケジュールを立てるようにしてください。

農地転用と地目変更
建築地が登記上宅地ではない場合、新築後に土地地目変更登記が必要になります。
畑や田から宅地への変更の際には事前に農地転用という手続きをしていると思いますが、地目変更登記の際にはその農地転用に関する書類の原本をお預かりする必要があります。
土地を購入されて新築された場合、土地の所有権移転登記の際にも農地転用書類を使用しますので、おそらく権利証と一緒に保管されていると思います。(金融機関さん、工務店さん、不動産屋さんがお持ちの場合もあります)
土地の状況や役場によって発行される書類のタイトルがまちまちですが、「農地転用許可証」「受理書」「通知書」などとされていることが多く、共通しているのは表紙に「農地法」や「農業委員会」などの記載があることです。
もし見つからない場合は、建築に関する書類を揃えていただければ、委任状をいただく際にでも担当者が探します。
こちらの書面を紛失されてしまうと再発行がでず、その対応のために時間と費用がかかってしまいますので、土地の権利証と同等の書面としてお取扱いにご注意ください。
登記できない建物
新築をした際、不動産登記法で義務になっている手続きとして建物表題登記を行わなければなりませんが、この登記は住むための一般的な居宅以外にも、店舗、車庫、物置など全ての建物が含まれます。
登記が必要かどうかは、不動産登記法上の建物の要件を満たしているかで判断されることになりますが、これらは図面などではなく実際の現場施工がどうなっているかで決定することになります。
登記ができない建物の例としては、既製品として購入した物置を地面に置いただけもの(定着性の欠如)や、一般的なカーポート(外気分断性の欠如)、展示用モデルハウス(永続性の欠如)などがあります。
新築しようとしている土地に既存の建物があり未登記の場合は金融機関さんから「既存の建物を登記してください」というお話がでると思いますので、ご自身で判断が付かない場合は土地家屋調査士による現場確認を手配してください。

【その他】

不動産取得税(土地・建物)
土地を購入された際や建物を新築された際などに、不動産取得税という税金が課税されます。
固定資産税のように毎年課税されるものではなく、土地を取得した時と建物を取得した時にそれぞれ課税されます。
参考)総務省 HP → 不動産取得税
土地と建物それぞれの減税に対応した制度があり、申告をすることで納める税金を抑えることが可能です。
参考)愛知県 HP → 不動産取得税申告書(兼不動産取得税減額等申請書)
なお、申告自体のお手伝いはできかねますので、参考 HP をご覧いただき、ご自身で申告をお願いします。
建築に関する贈与
新築する際、ご両親などから建築費用の一部として援助をしていただくことがあると思いますが、それは全て贈与とみなされ贈与税の対象になります。
新築のための贈与であるとその額も大きくなる傾向があり、仮に親から成人の子に1000万円の贈与を行った場合、贈与税の額は177万円(基礎控除後)にもなります。
建物取得の際に利用できる非課税贈与の方法がいくつかありますので、そちらをご紹介します。

①基礎控除(暦年課税選択の場合、相続時精算課税を申告しない限りは適用されます。)
1月1日~12月31日の間で110万円までは贈与を受けても非課税となります。
参考)国税庁 HP → 贈与税がかかる場合
②住宅取得等資金贈与の特例
住宅を取得するために父母や祖父母などから受けた贈与に関して、要件を満たしていれば非課税になります。
参考)国税庁 HP → 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
①との併用が可能ですが、贈与を受けた翌年の確定申告が必要になり、それまでに引き渡されていることが要件に含まれますので、この制度を利用される際は贈与のタイミングが重要になります。
※引渡が間に合わなくても上棟まで行われている場合は追加の書類提出で申告可能という判断をされる税務署もありますが、工事進捗次第となるため確実ではありません。
③相続時精算課税制度
②を超える額の贈与時に使える非課税制度ですが、デメリットも大きいので利用される際はご注意ください。
②と併用可能ですので、住宅ローンを利用せずに非課税の援助金のみで建築することも可能になります。
参考)国税庁 HP → 相続時精算課税の選択
住宅ローン控除(確定申告)
住宅ローンを利用されている場合、年末時点のローン残高等を基に計算された金額を一定期間所得税や住民税から控除する「住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)」を受けられます。
参考)国税庁 HP → 令和4年分確定申告特集
参考)国交省 HP → 住宅ローン減税
なお、申告に必要な書類のご説明は可能ですが、申告書作成は税理士法違反となってしまうためできかねます。
申告時期に開催される相談会場へ行っていただくか、税務署又は税理士さんへご相談ください。